最近寒いですが、皆さんどうお過ごしですか?自分は朝の9時から夜の9時まで塾に引き籠ってます。だから最近はほとんどゲーム出来てません。浪人生辛い。
なので、このブログも受験が終わるまでは投稿ペースが非常に遅くなります。と言うか投稿しない可能性すらあります。すみません。受験終わるまではご了承下さい。
今回はいつもと違って、かの有名な哲学マンガ「5億年ボタン」について、個人的な見解を書かせて頂きます。それでは早速、本題に行きましょう。
1.「5億年ボタン」って、何や?
有名なマンガなんで知ってる人も多いと思いますが、知らない方向けに5億年ボタンについてざっくり説明します。(まぁ正直ここの説明見るよりはググって実際に読んだ方が分かると思いますが。5分で読めますし。)
5億年ボタンとは、簡単に言うと「ボタンを押すと100万円出てくるが、自らの意識がどこか遠くの、地面以外何も無い空間に飛ばされ、そこで5億年過ごさせられる」と言うものです。
もちろん条件も色々とあります。死ねないのはもちろん、眠れない、腹は減らない、気が狂う事もない。終わったら元の時間、空間に戻り、100万円ゲット。そして何より、終わったらこの5億年分の記憶はリセットされる。あと、このボタンは連打してOKです。
だから本来このマンガは、あなたはこの条件でこのボタンを連打しますか?それともやめときますか?って話なんです。ボタンを押したら押したあとの自分に5億年暇に過ごす苦痛を与える行為を肯定するのか否か、どっちなんだろうな?って話です。
しかし今回自分が思い付き、今から書くことは、この本題からは結構ズレてる話なんです。
2.「5億年」って、長いのか?
- そりゃ数字的には長いけど
- 「ジャネーの法則」とは?
1.そりゃ数字的には長いけど
皆さん見出しを見て「こいつ気が狂ってるのか」と思った事だと思います。確かに、5億年って人間の寿命の62.5万倍の時間ですからね。短い訳ないですよね。(人間の寿命を80年と仮定)
しかし皆さん、こんな話を聞いたことがあると思います。それは、「年を取ると一年過ぎるのが早く感じる」ってことです。
2.「ジャネーの法則」とは?
19世紀、フランスの哲学者ポール・ジャネーという人物が、その甥っ子が書いた著書の中で、ある現象に関する法則を紹介しました。
その現象が、さっき述べた、「年を取ると一年過ぎるのが早く感じる」ことです。それに対してジャネーは、こんな法則を考えました。
それは、0歳の子どもが1歳になるまでの一年間の体感時間を1とすると、1歳から2歳は1/2、2歳から3歳は1/3、・・・になるという法則です。この法則に当てはめると、9歳から10歳の子どもの一年間の体感時間は1/10。体感時間の面から言うとこの子達の10日は0~1歳児の一日に相当するんです。
だから、年重ねれば重ねるほどに、一年間の体感時間が短くなり、結果的に一年過ぎるのが早く感じるって話です。
・・・もう、タイトルからしてお分かりですよね?今回自分は、この法則を元にして、5億年の体感時間はどれくらいなのかを計算してみようと思い立ったのです。
(この法則の正確さとかの難しい話については今回無視します。すみません。浪人生のテキトー数学なんで細かい所は見逃して下さい。)
3.5億年の体感時間を計算してみる
- 定義として
- Σ(k=1 n)1/k を求めろ!
- 波乱万丈の数学探求
- 近似値とは(哲学)
- 多分これが一番良い近似値だと思います
- いざ、計算!
- 結論
1.定義として
じゃあ早速計算・・・のその前に。まずは計算を簡単にするために、さっきのジャネーの法則についてざっくり定義していきます。
定義として、0~1歳児の体感時間を1、1~2歳児の体感時間を1/2、・・・、n-1~n歳の人の体感時間を1/nとします。(nは自然数)
これを足し合わせて行くと、1+1/2+1/3+・・・+1/nとなるので、ここでカビゴンが勉強しても何の役にも立たないと思ってる、高校数学の知識を使い、これをこのようにします。
Σ(k=1 n)1/k
・・・あ、言い忘れてた。今回、この憎き高校数学を結構使っていくので、「プリース ジャパニーズ」とか「んなもん忘却の彼方よ」って方は・・・そうですね、「こいつ何か言ってるわーうわー」って感じでザーッと読み進めて下さい。「もうわけわかめ。ブラウザバッグしよ」だけはやめてクレメンス
2.Σ(k=1 n)1/k を求めろ!
カビゴンはこの問題をかなり甘く見てました。
始めは「あー、あの公式の逆数とったら出てくるやろ!」って感じで、こんな式をたてました。
(ここからΣ(k=1 n)はΣと表記します。)
Σ1/n=1/Σn
Σn=1/2n(n+1)より、Σ1/n=2/n(n+1)
しかし、n=2以降が滅茶苦茶な数字になってしまい、これは完全に間違いでした。正直、この時点で結構詰んでます。「これ以外何があるの!?」って感じです。
次にカビゴンは、こんなことを考えました。
「あぁせや、Σn^3は(Σn)^2に等しかったな。つまり√をとればnの次数を2下げたΣの式と同じになるんちゃうか?と言うことは、√Σn=Σn^-1=Σ1/nや!せやろ!俺天才!」
ということで、計算してみました。
√Σn=√1/2n(n+1)
もうお分かりだと思いますが、どうみてもn=2以降からまた滅茶苦茶です本当にありがとうございました。
とまぁこんな感じで、カビゴンのボケたアホ頭じゃどう足掻いても答えが出ないのでした。やっぱり特攻種族値65では無理があったか・・・
3.波乱万丈の数学探求
カビゴンは悩んだ挙げ句答えを出せず、結局Google先生に聞いてみました。「Σ1/nの公式おせーて」
すると、検索候補にYahoo!知恵袋が。「知恵袋の数学民なら賢いし答えてくれてるやろ!先人の知識借りるで!」と、意気揚々とブラウザを開いたカビゴン。するとそこには・・・
・・・は? ・・・はぁ!?(二度見三度見)
そう、Σ1/nの公式は、まだ発見されてないんです。
カビゴン大ピンチ。このままでは、「公式無くて計算出来ませんでした!すみません!許して下さい何でもしますから!」って感じのくっさくて締まりのないクソ記事の出来上がりです。困ったなぁ・・・
しかしここで救世主が。
近似値あるの?やったぁ!
(しかしこの近似値、またまた大波乱を起こすのです)
4.近似値とは(哲学)
この方の投稿によれば、近似値は
g(n)=log(n)+γ+(1/2n)-(1/12n^2)
(γは「オイラーの定数」なんだそうです。)
n=6の例があるので、早速検算してみます。
(なお、有効数字は小数第三位までとします。)
g(6)=log6+γ+(1/12)-1/432
log6=0.778 γ=0.577 とGoogleが教えてくれたので
g(6)=0.778+0.577+0.0875-1/432
めんどくさいから1/432=0と見なして
g(6)=1.4525
Σ(k=1 6)1/n=2.45
・・・あ?全然違うやないか。のしかかりされたいんか?
カビゴンは思いました。「デマかよ・・・終わった・・・やっぱり公式無いんだから近似値も無いんやろな・・・」
半分諦めムードで、それでもカビゴンは、一縷の望みを考えました。「まぁひょっとしたら、何か他の公式と間違って書いてるだけで、本当に近似値はあるのかもしれないから一応ググってはみるか・・・」
そして2.3のサイトを巡った所、今度はこんな近似値が。
g(n)=2.302log(n)+γ (γ=0.577)
見つけた時はそりゃもう喜びましたよ。「数学書に書いてあるんやろ!?絶対正しいやん!やったぜ!これで計算出来るぞぉ~!」
ところが、です。また実際にx=6で検算してみます。
Σ(k=1 6)1/k=2.45
g(n)=2.302log6+0.577
=2.302(log2+log3)+0.577
=2.302(0.301+0.477)+0.577
=2.368
さっきよりはマシだけど、約0.1も違うとなれば近似値とは言い難いし、これでは多分正確さにに欠けてしまう・・・
それに、n=2の時
Σ(k=1 2)=3/2
g(n)=2.302x0.301+0.577
=1.270
0.23もの誤差が出てしまい、流石にこれでは近似値とは言えないので、この近似値の式もおかしいです。数学書までデマを書くとか世紀末じゃねぇか!
その後、カビゴンは色々なサイトを巡って近似値を探してみましたが、遂には出会えず、いよいよ完全に諦める寸前まで来たのでした・・・
5.多分これが一番良い近似値だと思います。
「さて・・・不本意だが『許して下さい何でもしますから!』って書くしかないかぁ。もうこればっかりはしゃーないわ。」
カビゴンはブログを開き、今まさに記事の執筆を始めようとしました。その瞬間でした。
・・・まるで、5億年ボタンに出てくる、ボタンを押してから500万年後のスネ郎が、突然何かを閃いたのと同じように、カビゴンはある「可能性」を閃いたのです。
「・・・後者の近似値の式、ひょっとしたら筆者が数式の打ち損じをしてしまったんじゃね?」
いくらなんでも、市販されてる数学書に間違いがあるなんて有り得ない。絶対クレームとかで発売出来なくなるか、後に訂正されたとしてもブログの筆者が修正するはずだ。ということは、間違ってるとすれば俺の計算か筆者だが、流石に電卓とGoogleで計算した俺が間違ってるのも考えにくい。となればやはり、筆者の方に何か問題があるのでは?
あの近似値の式、γはオイラーの定数だから間違いのしようがないし、logの底数が10でないのも、前後者二人ともそこを間違ってるとは思えない。となれば、他に打ち損じがあるとすれば・・・
log(n)の係数の2.302、それしかなさそう。
そこで、試しに係数を2.402に変更してn=6を計算してみました。すると・・・?
近い!近いぞ!これなら近似値と言えそうや!
しかし、です。n=2で計算してみると・・・
またぬか喜びかよォォォーーー!!!
このハゲーーー!!!(頭禿げそう)
もうこれです。これ。厚い脂肪とか関係ないです。
しかしカビゴン、ここで最後にして最大の閃きをしました。これで違うなら、もう諦めると決めました。
前者の式、ありゃひょっとして後者の式のlogの係数を打ち損じたんじゃないか・・・?もしや、両者の式を合体させれば・・・!?
つまり、こういう式を思い付いたのです。
g(n)=2.302log(n)+γ+(1/2n)-(1/12n^2)
早速、n=6で検算してみます。すると・・・?
見切れてますが、これなら近似値と言えそうです。
また、n=2の時、こうなります。
近似値てすねぇ!ですねぇ!(かなり興奮)
もう1つ、n=3の時は、
Σ(k=1 3)=1.833 なので、やっぱり近似値です!
数学的な証明は無理ですが、カビゴンは多分これが本当の近似値の式なんだと確信しました。この謎を解いたときは、周りに人がいるのに「これや!」って叫んでしまい、少し冷たい目で見られたりしましたw
こうして、述べ2日かけて、カビゴンは遂にΣ1/nの近似値の式を調べ上げる事に成功したのでした。
6.いざ、計算!
では、いよいよ計算です。
長々と話しましたが、Σ1/nの近似値として
g(n)=2.302log(n)+0.577+(1/2n)-(1/12n^2)
という式が得られました。これから、人間の本来の寿命の体感時間としてn=80を、そしてもちろん5億年の体感時間としてn=5億を、それぞれ代入します。(なお、有効数字の関係上、0と見なして計算をすっ飛ばしたりしますがご了承下さい)
じゃあまず人生80年。n=80の時、
g(n)=2.302log80+0.577+1/160
=2.302(log10+log8)+0.577+0.006
=2.302(1+3log2)+0.583
log2=0.301より、
=2.302x1.903+0.583
=4.958
そうか・・・俺らの寿命の体感時間って赤ちゃんが年をとらずに5年生きた場合の体感時間とほぼ一緒なんやな・・・この法則子ども時代の比率が凄いな~w
ではいよいよ本日のメイン。n=5億の時、
g(5億)=2.302log5億+0.577
=2.302(log5+log1億)+0.577
=2.302(log10-log2+log10^8)+0.577
=2.302x8.699+0.577
=20.602
・・・何かある意味凄い数字が出てきましたよ?
これって、仮に人間が5億年生きたとして、その体感時間は赤ちゃんが年をとらずに20年と半年ちょっと過ごす場合の体感時間ということになりますね・・・
では最後に、g(5億)/g(80)を計算します。
g(5億)/g(80)=20.602/4.958
=4.155
これにより、5億年ぶっ続けで生きる場合の体感時間=人生4回+αの体感時間という結果が導かれました。つまり、人生4四回とちょっとの間何もせずに過ごすのと同じということです。
7.結論
しかし皆さん、ここで非常に大切な事を忘れている事にお気付きでしょうか?
人間は、赤ちゃんの頃は「自我」がありません
赤ちゃんの頃の自我が無いと言うことは、その分の体感時間のカウントは無効ということになります。
そうですね・・・自分の場合、大体3才くらいから自我があるので、今回は自分の自我を基準として、実際にはg(80)からg(3)を引く必要があります。
よって、g(80)-g(3)=4.958-1.833=3.125
20.602/3.125=6.593
よって、本当の5億年の体感時間は人生6.6回分に相当するということになりました。多分これが一番正しいと思います。(修正されるフラグ)
実際には一日何もせずに過ごすだけでもかなりしんどいので、人生6.6回分となるとやっぱり長すぎィ!ですが、多分皆さんが思ってる程には長くはなさそうです。だってさっきも述べましたが、5億年って人間の寿命の62.5万倍ですからね。そこから考えるなら、ある意味非常に短いと言える・・・かも知れませんね。
5.終わりに
- ジャネーの法則の解釈
- 結局どうなのだろうか
- まとめ
1.ジャネーの法則の解釈
と言うことで、5億年の体感時間は人生6.6回分の体感時間に等しいという計算結果が出ました。いやー疲れました!もうしばらく数学したくないですw
しかし、ここでもう1つ疑問が。
ジャネーの法則は、その法則の根拠として、人間は年を重ねれば重ねる程、新たな経験や発見が出来なくなるから一年を早く感じることが挙げられており、その結果としてこの法則は考えられたのです。
そして今回の条件は、5億年暇に過ごすだけなので、スネ郎みたく何か考え始めるのならまだしも、本当にただ過ごすだけなら新たな経験や発見はほぼ一切無いはずです。
つまり何が言いたいかというと、もしかしたら5億年の体感時間はこの法則より更に早い可能性があるということです。
また逆に、この空間には時間がわかるものが一切ありません。5億年という長い時間の先のゴールしかわかりません。なので、長い時間の途中で当事者から時間という概念が消えてしまってもおかしくないのです。その場合は、もちろんですがこの法則は成り立たなくなってしまいます。時間がわからないからそもそも適応出来ない可能性もありますしね。
2.結局どうなのだろうか
ここまで長々と書いてきて、しかも数学的な結論も一応は導いたのですが、先程の考えから結局5億年の体感時間が本当に数字の結論通りになるのかわからないということになります。結局わからんってことです。
まぁでも全く意味が無かったのかと言えばそうでもなく、この事より少なくとも5億年ボタンを押すと5億年の暇を体感するか、人生6.6回分暇に過ごすか、それ以上の早さで時間が過ぎるかのどれかであるということにはなると思います。
3.終わりに
これにて、5億年の体感時間の考察はおしまいです。
結局本当の結論ははっきりしませんでしたが、一応は数学的な結論を導く事が出来たのでよかったです。
「おい計算間違ってるぞデブ」とか「何でそんな考えに至ったんや?」とかあればコメント下さい。お待ちしてます。
では、今回はここまでです。非常に長い文章でしたが、読んで頂きありがとうございました!
5.おまけ
- カビゴンは5億年ボタン押すの?
- 5億年の過ごし方
(現在執筆中)