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ゲームに本気を出す大学生のブログ

【ポケモンSV】ネモの話

ストーリーの途中にある描写で、ずっと心に引っ掛かってるシーンがあったので、それを元にネモの話をしようと思う。

 

 

 

ポケモンリーグ制覇後、ネモと戦る場面

最強の生徒会長と最年少記録を更新した新チャンピオンとの戦いということで、多くの観戦者がいた。その中にはオモダカさんやグラベル校長、アオキ以外の四天王に先生陣など、強者トレーナーも多かった。

 

そしてバトルに勝った時、ここで例の描写が出てくる。オモダカグラベルが驚いたような反応を示す。それからネモが心底楽しそうに話し始める。

 

このシーン、一見普通なように思えるが、どうしてオモダカグラベル「だけ」が驚いたのかが不思議なのだ。本来ならば観戦者全員が驚いていてもおかしくないし、実際に不敗神話の具現者たるあのネモが負けたんだから、いくら主人公が相手と分かっていてもびっくりしたはずである。

ゲーム体験的に考えても四天王や先生達が驚いた描写を入れたって特にくどくはないはずで、むしろ「ネモに勝つってそれほど衝撃的なことなんだ」とプレイヤーを納得させる要素になったはずだ。

それにも関わらず、四天王や先生には目もくれず、オモダカグラベルだけにこの反応を用意したのは何故なのだろうか。

 

 

 

結論から言うと、恐らくオモダカグラベルはネモの本気を引き出したバルデア地方唯二人のトレーナーであり、二人はネモが最初から全力で主人公と対峙している事を自らの経験から理解し、その上でネモが負けた事に大層ショックを受けたのではないかと考えている。

 

この考えの根拠は、逆に四天王や多くの先生、ジムリーダーたちに着目することで得ることができる。彼ら強豪トレーナーには共通する特徴があって、それは特定のタイプのポケモンを手持ちにしている事である。タイプに偏りがあるという事は、当然だが弱点が一貫する。なので彼らと同じくらい強くて、かつタイプ相性が有利なポケモンを何匹か連れて行けば基本的に勝てるのだ。

 

実際ネモはストーリーの途中で、主人公に勝負を挑もうとしたが「ジムチャレンジ用に連れてきたポケモンだから戦えない」と言ってバトルを保留するというシーンがある。恐らくこれは、そのジムの攻略の為に相性が有利となるポケモンで手持ちを固めていたからであり、この状態で主人公と戦えば逆に自分の弱点を突かれて簡単に負けてしまうだろうという判断から来ていると思われる。

 

このことから、ネモにとってジムリーダーや四天王並びにほとんどの先生は下準備さえしておけばまず負けない相手であり、はっきり言って取るに足らないトレーナーだったんだろうと思われる。だから本気を出す必要などなく、故に彼らはネモの本気を知らないのである。

 

そしてジムリーダーや四天王が取るに足らない存在なのだから、一般トレーナーなど歯牙にもかけないだろう。そりゃ手抜きをせざるを得ないし、それでもなお負けないはずである。

 

 

 

さて、ここまでの話を読んだうえで思い出してほしいのが、オモダカグラベルの戦闘である。彼らは高いレベルのポケモンを多く所持し、更にタイプの偏りもなかったはずである。

 

それぞれのトレーナーに注目すると、戦闘前にオモダカが最近負けていないと豪語するのは、恐らく四天王戦を突破したトレーナーの多くは四天王の手持ちの一貫した弱点を突くことで突破できたのだが、オモダカのバランスのいいパーティーにはそれが通用せず力負けしたのだろうと思われる。ネモも戦いの中でそれを理解し、故に途中から本気を出した結果が「ネモは私との戦いでも「ある程度」力を温存していた」というコメントなんだろう。温存して手を抜いていたのではなく、100%ではないが力を出したのである。

(そしてオモダカからすると、全力を出さずして自分に勝つトレーナーは初めてだったのだ。だから図らずともあのような言葉の表現になったのだろう。)

 

一方でグラベルは、スターダストストリートで主人公と共に行動しながら、御三家の余ったポケモンを中心にバランスのいいパーティーを相当な強さまで育て上げており、このことからトレーナーとしての素質が極めて高いことが予想される。

 

そしてバルデアのヒソカことネモは、殿堂入り後には先生たちがバトルが強いという事を知って道場破りを行っているはずであり、その時に校長とも対戦したと思われる。他の先生が弱点が一貫していたり、そうでなくともそもそもあまり強いポケモンを使ってこなかったりするなかで、校長だけは恐らく群を抜いて強かったため、ある程度本気を出したのだろう。

 

このような推察から、この二人はネモの通常モードと本気モードを身をもって理解しているトレーナーであり、そのネモが主人公と戦った際に最初から「マジ」だったことを悟ることが出来たのである。だからこそ、バトルが終わった時に「あのネモを、それも私と違って最初から全身全霊で挑んできた彼女を...!」と驚愕を隠せない心情が、あの描写につながったのではないかと考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

ところで話が変わるが、皆さんは先ほど書いた「ネモが主人公とのバトルを保留するシーン」に違和感を感じなかっただろうか。よく考えれば、あの戦闘狂たるネモがパーティーの内容を気にしてバトルを避けるなんて、なかなかとんでもないことではないだろうか。

 

それに思い出してほしいのが、ネモが主人公に感化されて?その辺のトレーナーに片っ端から勝負を仕掛けにジムを飛び出すシーンがある。先ほどの話から考えるに、この時のネモはジムチャレンジ用の弱点被りまくりパーティーであるはずで、しかしそんなことなどお構いなしに突撃したのである。あの勢いだと恐らくパーティー変更はしていないだろう...

 

ネモの手抜き癖がいかに身に沁みついてしまっているかという事と、ネモがいかに主人公に対し敬意を払っているかが伺えて、個人的にはなかなかエモく感じるところである。